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寅さん第39作の感想付け足し [キネマのブルース]

2021-01-28T22:41:31.jpg


先日、寅さんの第39作『男はつらいよ 寅次郎物語』について書いた。 今日はそこに書かなかったこと、つまり付け足し。


話の中でイッセー尾形が大阪のおまわりさん役で出てくる場面がある。 寅さんはそのおまわりさんにいい旅館がないかをたずねる。


「千円ぐらいで泊まれるところはないか。ただしビジネスホテルはいやだからな」 みたいなセリフがある。


これに対してイッセー扮するおまわりさんが「今の日本の現実を知らないの」的な言葉を言い返す。


これを見たとき私は思った。 山田監督は寅さんにあえて時代錯誤なセリフを言わせて、寅さんシリーズがすでに終わった作品だと映画会社や観客に訴えたかったのではないだろうか。


本作が公開されたのは1987年、昭和末期である。映画の中の風景を見ても1970年代とは明らかに異なり、バブル前夜のニオイがプンプンする。


つまり、寅さんのバックボーンとは異なる世界に変わっていたのだと思う。 ここからまだ寅さんは主役の渥美清さんの体力の続く限り続くのだが、それは少し残酷な感じがしてならない。

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