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『安いニッポン』 [f]

2021-12-04T01:23:31.jpg
月初めから更新をサボってしまった。

とにかく忙しい。理由は時間泥棒が多いからだ。時間意識が全くない人間が周りに多い。

閑話休題、『安いニッポン』を読んで驚いたのは、日本の賃金が諸外国よりも低くなっている事実。

この原因はバブル崩壊の後遺症ではないかと思う。

バブル前にも、たとえばスーパーが登場したりして価格破壊は起きたが、世間全体はインフレであった。

草創期のスーパーは、中抜きなどの仕組みで価格を抑えた。

しかし、今の日本は仕組みだけでなく、利益を削ることで価格を抑えている。利益を削るから人件費もカットする。給料が増えないから安いものを買う。すると売るために更に価格を下げるから、給料も上がらない。

この悪循環に陥った。

日本人の心は荒むというよりは幼稚化したと私は捉える。

合理化、断捨離などもっともらしい言葉を使って、かつての大人が付き合いとしてカットしなかったものをどんどんやめてしまった。その最たるものが葬式だろう。

昔の人は葬式の資金ぐらいは遺すという暗黙の了解があったが、今では資金のある無しにかかわらず、また相応の地位の方でも家族葬で済ますようになった。言うまでもなく、古今東西、葬式は本人不在ながらの人生最大イベントである。その慣習が廃れたのだから世も末だ。

こうした社会はある意味プレッシャーがないから生活するには楽だったりする。

ただし時間に関してだけは昔と変わらず長時間労働を美徳とする。仕事の合理化が進まず、過労死スレスレのことが起きているという不思議。

本書では安さばかり追求する日本において、新しい価値を生み出す仕組みが築けないことを憂いている。進歩が止まったという意味では江戸時代もこんなのだったのだろうか?

いつか令和の黒船が来航し、再び日本は目を覚ますのか!?その時は大きな傷みを伴うに違いない。

頽廃的だが、泰平の世を有り難がる方がマシなのかもしれない。
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