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垣根涼介著『極楽征夷大将軍』 [f]

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昨年の第169回直木賞受賞作品。

先月(2024年8月)ようやく読了。

買い求めたのは昨年7月26日だったと記憶する。場所は東京御茶ノ水の丸善。

縁者の病気見舞いに行き、病院近くにあった書店で購入した。ちょうど話題の本で、地元の本屋には一冊もなかったのに、東京のその店では山積みにされていた。

昔からそうだ。

都会の大手書店にはあるのに、地方や都会でも小規模店には出回らない。

かくして地域の草の根的な書店はなくなり、ますます地域の民度は落ちるばかり。

アマゾンがあるからいいじゃない。

そうな声が聞こえてきそうだ。

私もアマゾンは大いに活用させてもらっているが、リアル店舗の重みは全く違う。

もし、地域の書店にもある程度タイムリーに現物があれば、また違った様相を呈したであろう。

閑話休題、この本は549ページの2段組。つまり、文量が相当多い。遅読の私には時間がかかった。しかもぶつ切りに読むから余計だ。

内容は鎌倉幕府滅亡〜建武の新政〜足利幕府創業について足利尊氏を主人公にして描かれているが、真の主人公は尊氏の弟(直義)と執事(高師直)である。

もしかすると、戦国時代よりも苛烈な戦いだったようにも思う。

近年注目される室町時代が、これからも多くの作家が取り上げるようになると、国民の史観に変化が出るてあろう。


この本を買うきっかけとなった縁者は、残念ながらその翌日天に旅立った。そういう意味で本書は私にとって忘れられい1冊である。

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