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『パリわずらい 江戸わずらい』 [本のブルース]

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やっぱり浅田次郎さんの本はいいです。


といってもハードカバーは基本買わないので熱心なファンとは言えないですが(苦笑)


さて、本書はJAL機内誌に連載されたエッセイをまとめた第三集であるとのこと。


第一・第二集のこと知らなかったなぁー(苦笑2)


本書の中でもとりわけ「アメニティ・グッズ」は大いに共感して読みました。


浅田氏は宿泊したホテルや旅館のアメニティ・グッズを持ち帰るのが常で自宅にはそれらが溢れかえっていると書いています。


浅田氏とは旅行の頻度が違うので氏ほどではないものの私の家にも旅先から持ち帰ったアメニティ・グッズが結構あったりします。


もちろん浅田氏も私も【持ち帰り可】のものしかないことは言うまでもありません。


このアメニティ・グッズから浅田氏は団塊の世代を鋭く分析されます。 長文になりますが引用させてもらいます。


同書集英社文庫版190pから。


「どうやら、物のない時代に生まれたあと、急激な経済成長に遭遇した私たちの世代は、貧しかった父母たちよりももっと使い捨ての文化になじめぬようである。物を大切にするという道徳を叩き込まれたあとで、物の氾濫する社会に身を置くこととなった。父母には節操があったし、子供らは余分な物を欲しがらぬ。しかし団塊世代の私たちはおしなべて、世間の善意を信じようとせず、タダなら貰っておくのである。さて、こうした厄介な世代がいよいよまとめて高齢化するとなれば、その厄介さかげんは単純な数値では測れまい。量も量もだが、質も質なのである。」


私は団塊世代ではありませんが、同じような感覚です。


父母にはあった節操が私たちにはないと喝破されるのは流石としかいいようがありません。


おそらく若い世代も節操はないが、不要なモノを欲しがらないという点で団塊世代とは違います。


最後の量も量だが、質も質なのである、というのが効いています。


世間の善意を信じようとせずというところだけはよくわからないなぁ?

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『金の言葉 銀の言葉』第19日

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子どもの頃「社長」というあだ名の友人がいました。

理由は会社の社長の息子さんだったからです。

今日の言葉の添え書きを見てふと彼のことを思い出しました。

ある方曰く、肩書きとは役割分担であって人間の価値を示すものではない。

また別の方曰く、肩書きはあだ名みたいなもんである。そう思えば気分は軽くなる。

30年超サラリーマンをした私としてはそんなに簡単に割り切れるもんではないというのが実感です。

しかし、サラリーマンを卒業すると、肩書きは幻であって、ここに書いてあるように「服」のようなもんだということもよくわかります。

服を脱いで裸の勝負となると、まるで銭湯に入るときみたいだなぁ、なんて思ったりします。

閑話休題、子どもの頃見たドラマで登場人物が軍隊の時の肩書きでお互いを呼び合う話がありました。設定は昭和40年代初期。その頃はまだそんな感覚を持つ大人もいたのでしょう。子どもにとっては滑稽でしたが、、、。つまり、肩書きと関係ない方から見れば笑止千万ということです。

先述の友人は後年親の跡を継ぎ本当の社長になりました。後継者不足の現代にあって立派な志であると思いました。

もしかすると彼はあだ名の影響で少年の頃から会社を継ぐ決意をしたのかもしれません。
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