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『金の言葉 銀の言葉』第23日

2020-02-23T18:17:44.jpg
「情けは人のためならず」

情けはその人のためにならないので(情けを)かけない方がよい、というのは誤った理解。

この解釈はある程度定着したのではないかとみています。

情けは人のためにかけるのではなく、自分のためにかけるもの。なぜなら情けをかけた相手は感謝していつか自分の力になってくれるから。

これが本当の意味だというのですが、なにやらあざとい気もします。

恩を仇で返す、という言葉があるように情けをかけた相手に手痛いしっぺ返しをくらう時があります。

その最たる例を歴史上の事件でみれば、平清盛が源頼朝にかけた情けでしょう。

宿敵源氏の棟梁・源義朝を平治の乱で破った清盛は義朝の遺児・頼朝を処刑するはずでした。

ところが清盛は自分の母親から頼朝の助命嘆願を受け、ついに流刑として命を助けました。

後年頼朝は挙兵し、実弟義経とともに平家を滅亡させ鎌倉幕府を開きます。

頼朝義経兄弟はなんて恩知らずなんでしょうか?!とは普通言われません。

しかし、もし清盛が源頼朝に情けをかけなければ、もう少し違う展開になったと考えられます。

清盛はどこでしくじったのか?

源頼朝に対しては処刑するか、あるいは頼朝が反逆しないよう徹底的に「情け」をかけて骨抜きにしてしまうという方策もあったのではないでしょうか。

「情けは人のためならず」

実に奥深く、怖い言葉であり、人の二面性を抉る警句だと私は思います。
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