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GDP3割減の衝撃 [中日新聞から]

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もう、皆様ご存じのように2020年4〜6月期のGDPが▲7.8%の減少となりました。


年換算で▲27.8%の減少です。


マイナス幅は戦後最悪で、リーマンショックや東日本大震災の時の景気後退を上回る落ち込みかたです。


新聞では失業者の増加なども伝えられていますが、幸いなことに失業を苦にしての一家心中などのニュースはあまり見ません。


飲食店や観光産業をはじめとするサービス業を中心にこれだけ打撃を受けながら年率3割減でとどまっているのは日本経済の底力だと私は見ています。


言い換えるとまだ7割も残っているのです。 これは決して詭弁で申しあげるのではなく、これだけ大騒ぎしながらまだ3割減なんだということです。


私は5割減くらいまでいってるんじゃないかと思ってました。


もちろん私も、今の景気を楽観視しているのではありません。


経営者の方に申しあげたいのは、やたら悲観するのではなく、まだ3割しか減ってないんだ、というふうにドーンと構え、適策を矢継ぎ早に打ち続けることが肝心、ということです。


(写真はいつもの中日新聞2020年8月18日付けです。)

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『老人と海』を読み直す [本のブルース]

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何年ぶりかでヘミングウェイの傑作と言われる『老人と海』を読み直しました。


前に読んだ新潮文庫版は紛失したので、新たに光文社古典新訳文庫版を購入いたしました。


今回読み直すきっかけとなったのは、私が定期的に読んでいる某経営者の方のFacebookに推薦的内容が書かれていたからです。


さて、前回も今回も、私にはこの本の内容はあまり響きませんでした。


あらすじは、【ネタバレありになります】、老いた漁師が80日以上不漁続きで困窮しているところ、3日3晩の格闘の末ついに大物カジキを釣り上げることに成功するのだが、帰港途中にカジキはサメの餌食となり最後は骨だけになったカジキと港へ帰り着くというだけの話。


私は釣りもしないし、マリンスポーツもしないので特に揺さぶられるものがないのかもしれません。


老人は漁師としてこの年齢(具体的な歳はわかりませんが)まで生計を立て、過去には大層な町一番の力持ちであったというエピソードも途中で挿入されています。


老いたるとはいえ、過去の経験から大物カジキに怯むことなく、獲物を追い詰め最後は銛で仕留めるというとても老人とは思えない離れ業を見せます。


今までにない大物をサメに全部食べられても老人はパニックになることもなく、稼ぎがなくなったと落ち込み、疲れをいやすために眠り続けることで話は終わります(決して死んでるわけではなく)。


果たしてこの老人にとって海とは何なのか?


漁師は老人にとって仕事であり、海は職場であると言えるかもしれませんが、会社員の職場とは意味合いが違うでしょう。


フレデリック・フォーサイスの短編で『帝王』という作品があります。

『老人と海』をオマージュしたような話で、私にはこちらの方がしっくりきたりします。


『帝王』のあらすじは、【ネタバレありになります】、定年間近な銀行員が休暇で海辺の町に出かけ、ひょんなことから釣り船に乗り、老いた漁師の手ほどきを受けながら「帝王」と呼ばれる大物をビギナーズラックで釣り上げ、最後銀行を辞めて海辺の町に住むことを決意するという話でした。(昔読んだので記憶違いがあるかもしれません。)


この『帝王』が『老人と海』の解説本であり、私のような拙い読み手とヘミングウェイの架け橋のような気がしてなりません。


『老人と海』は、単純な話の中に人間が生きる意味、楽しさ、厳しさ、苦しさを描き、最後に読者の生き方を問うという話のような気がします。


【追記】

『老人と海』には脇役として老人に漁の指導を受け、その縁から老人を慕う少年が登場します。

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