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松尾清貴『ちえもん』小学館 [本のブルース]

2021-01-15T21:36:21.jpg


図書館に返す日に間に合わず、残念ながら途中までしか読めなかったが、内容は濃く読みごたえがあった。また、章立ても凝っていて斬新な感じがした。


主人公は江戸時代中期の実在した人物らしい。よくこのような人を探し出したものだと感心する。 考えてみれば有名な歴史上の人物は書き尽くされた感がある。そうなってくると完全な創作物か、こうした地域に埋もれた偉人伝がこれからますます増えるのではないかという気がする。


たとえば谷川士清のような人物を新進気鋭の作家が書くことも今後起こるかもしれない。むしろそれを期待したい。


閑話休題、話を『ちえもん』に戻そう。


ちえもんとは、知恵のある者という意味で、主人公は知恵のある商人(あきんど)だ。 彼には気概ある。 それは権力に頼まず己の才覚で勝負するという心意気に他ならない。


明日は今日の続きと考えず常に挑み続ける姿勢。 社会秩序が今よりも固まっていた江戸時代においてそれは起業家精神などという生易しいものではなく命がけの挑戦といってよい。 再度読み直し完読したい1冊。

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