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『セーラー服と機関銃』

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テレビで薬師丸ひろ子の映画がシリーズで放送されている。それを録画して観て、このブログで紹介してきた。おそらく今回が最後となるだろう。


『セーラー服と機関銃』は薬師丸ひろ子が17歳の頃に撮影された。当時は彼女が髪をバッサリ切ったことがまず話題になった。次に役柄がヤクザの親分ということ、最後に機関銃をぶっ放すシーンがスゴイのだということ、そしてキスシーンがあることなどなど、公開前から当時のティーンズを刺激するには十分すぎる噂で一杯だった。

女子高生がいくら血筋とはいえヤクザの親分になるというのは荒唐無稽すぎるのだが、そんな無茶苦茶が通ったのが80年代の角川映画だった。

原作は赤川次郎で、彼がいつから流行作家になったのかは記憶にない。

組の幹部に渡瀬恒彦が出演しており、『仁義なき戦い』ファンから見れば噴飯ものだったと思う。

閑話休題、監督は相米慎二さん。彼だからこそ撮れた画が多い映画だ。名シーン、名セリフは多い。

まずは有名なところでは、薬師丸ひろ子が機関銃を乱射した後、「カ・イ・カ・ン」と宣うシーン。

このとき彼女の頬から血が一筋流れているが、これは演出ではなくて、飛び散った破片が顔に当たったもので、その時の傷は小さいながらも一生もんだと芸能ニュースで流れた。

当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった若手女優の顔に傷つけるとはいい度胸としかいいようがない。

監督も女優も、現場もフロントも皆んな身体を張っていたんだろう。

身体を張るといえば薬師丸ひろ子がクレーンで吊るされてセメント液に漬けられる場面もスタントなしでやってのけている。撮影後、薬師丸ひろ子の目からセメントのカケラが涙と一緒に出てきたという話を当時の雑誌で読んだ覚えがある。真偽は知らない。

暴走族がバイクを走らせるシーンも80年代前半だから撮れた。なぜならこの頃までが暴走族が暴走族らしい時代だったから(私見)。

圧巻はラストシーン。マリリン・モンロー張りのスカート姿で、「私、おろかなオンナになりそうです」と言うところ。

これにはなんも言えない。相米監督は本作といい、『台風クラブ』といいラストの締め方がうまい。


それにしても記憶というのはいい加減なもんで、渡瀬恒彦とのキスシーンは学校の運動場だった思っていたが全然違っていた。

風祭ゆき、なんていう別嬪さんも出てたんだなぁ。そういえば、あの時の同級生は今頃どうしてるだろうか?お互い勇気が出せなくて、結局各々一人で観た映画。薬師丸ひろ子みたいなショートカットだったあの娘は元気だろうか?
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