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三井高利生誕400年 [f]

2022-09-06T20:12:46.jpg
三井財閥の創始者と言っていいのだと思うが、江戸時代の豪商・越後屋の当主であった三井高利の生誕400年であることを最近の中日新聞の特集記事で知った。

その特集記事によれば、三井家発祥が松阪市であることを地元でも知らない人が多いらしい。(私は、そのことは知っていた。)


二十数年前にちょっとしたコラムを書くため三井高利と松坂(江戸時代の表記は阪ではなく、坂だった)の関係を調べたことがある。当時は、三井高利自身の資料はたくさんあったが、地元との関係性についての資料をうまくさがせなかった。

今回の中日新聞の特集では、三井高利以後の三井家と松阪のことが書かれていて、読みごたえがあった。

閑話休題、三井高利のすごいところは商売で大成功したことは言うまでもないが、彼が遅咲きであったことにある。

三井高利が江戸で本格的に商売を始めたのは52歳。人生50年と言われた江戸時代初期に、晩年を迎えてから故郷を離れ江戸で勝負するという体力と気力は相当のものである。

これには理由がある。

本当はもっと若い頃に江戸の店舗で商売をしたかったのであるが、高利は自身の長兄からそれを禁じられ、松坂の家と店を守ることを命じられる。家長制が絶対であった時代であったからやむなく彼はそれに従った。

長兄が亡くなり、自分が思い通りにできるようになったのが52歳であった。

ここからは私の想像であるが、長兄は弟の商才に嫉妬したのか?あるいは、あまりに大きすぎる商才に身代を傾けることを怖れたのか?いずれにしろ弟高利を故郷に縛りつけた。

高利はそこでどう過ごしたのか?倦むことはなかったのだろうか?興味があるところである。

長兄にしても江戸店をしっかり守っているのだから才覚がないわけではなく、もしろ標準以上の人物であったと思う。

いずれにしろ長兄の縛めから解かれたとき、満を持して江戸で勝負し、三井財閥の礎を築いた三井高利はすごすぎるという言葉しか出てこない。

普通なら隠居する年齢である。今でいえば、80歳を越えて起業するようなものである。

あきらめず、挑戦した気持ちを讃えたい。
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