伊東潤氏の作品を読むのは、『西郷の首』に続いて今回で2作目となりました。

前回同様、本作もたいへん面白く一気に読みました。

あらすじは、太平洋戦争の戦犯を裁く「裁判もの」ですが、戦勝国が敗戦国を裁く裁判ですから、結論は見えている中、若き日本人弁護士が「法の正義」を楯に法廷で戦うというものです。

当時の連合国側と日本側それぞれの歴史の闇の部分に切り込んだ内容はたいへん重いものです。しかし、その闇の部分に立ち向かう青年弁護士の行動は清々しくもあり、爽やかな読後感をもたらしてくれます。

戦後日本人の生き方、組織や個人のあり方、人間の器量などいろんなことを考察する課題も与えてくれる1冊です。

しかもおもしろい。ぜひ読んでいただけたらなぁと思います。



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