高杉良氏の自伝的小説であり、著者最後の作品になるかもしれないと言われている。

高杉氏は御年82歳。そんなご高齢とは思えないほど筆致は瑞々しい。

作者の若かりし頃はイコール日本の高度成長期真っ只中。

時代が若いということは、社会も若く。そこに生を受けた若者が己の才能をフル回転させて遮二無二活躍するストーリーは読む者を元気にしてくれる。

高杉氏の才能が羨ましい限りである。

閑話休題、作中に四日市コンビナートの話がたくさん出てきた。親近感があって、そうしたことも面白い理由だった。

自分がこの時代に生まれても活躍することはないだろう。

力の有る無しは残酷なジャッジをするもんだと思う。