面白い本というのはスキマ時間をみつけてでも読みたくなる。


私は遅読だから一晩で一気読みとまではいかないが、かなり早いペースで読んだ。


やっぱり伊東潤は面白い。


今までの伊東潤は歴史物イメージだったが、本作は戦後すぐから昭和35年くらいまでの沖縄が舞台。 今が令和だから、昭和のこの頃となるともう歴史物の域になるのだろうか?


閑話休題、どの過去も現在につながっているのは間違いないが、時間が経てばその影響度は薄くなるのが普通だろう。


本作を読みながら、4年前に初めて行った沖縄を思い出していた。 あの明るい光景の裏側にはこのような歴史があったのか、と驚く。


今もって沖縄の歴史は動いている。本作は単なる過去の話ではなく、現在進行形なのだ。


評論家の縄田一男氏は日経新聞(2021年7月15日)にこう書いている。


「伊東潤の意欲あふれる問題作と言えよう。」