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やってみてわかること

今から7~8年前のこと。

ある中心市街地に遊休地を持つ方から有効活用策の提案を求められました。

その土地は、元々月ぎめの賃貸駐車場だったのですが、あまり入居状況がよくなく、賃料の回収も延滞先などあったため現在は閉鎖したとのことでした。


売るのはNG、大きな投資もしたくない、できればもう一度賃貸駐車場でよいので、良い管理者を紹介してほしいというのが本当の依頼でした。


その時、わたしが思ったのは同じような月極め駐車場では管理者を換えてもうまくいかないのではないかということです。

ちょうどその頃、三重県内でも大手の駐車場管理会社が経営する時間貸しの駐車場が進出してきました。しかし、その中心市街地には、そのような時間貸しの駐車場は全くありませんでした。厳密にいえば、あるのはあるのですが、昔ながらのビル型の時間貸しの駐車場や有人型の時間貸しの駐車場でした。


わたしはツテをたどって某時間貸し駐車場の会社に、その遊休地を紹介してみました。


その会社の担当者は、熱心に現地調査をされ、昼だけでなく、夜も深夜まで現地の駐車事情を調べられました。


そこでわかったことは、

①昼も夜も地元の貸し駐車場はあまりはやっていない

②違法駐車が多い。特に夜は違法駐車(路上駐車)が多い

というマイナス面。


ただ、飲み屋が多いので、夜、車でこのエリアを訪れる人は多い。そのほとんどが路上駐車をしているので、そのうちの何割かを取り込むことができれば、なんとか採算ラインにのりそうである。また、地元の貸し駐車場は少し不便なところにあるので、場所的には今回の所は有利である。

結局、かなり「エイ・ヤー」の決断でしたが、その会社はそこに時間貸しのコインパーキングを作りました。

土地の所有者からは、一部月極めにしてはどうか、幸い以前借りてくれた人が数名また貸してほしいといっている、という提案がありましたが、管理が難しくなるという理由で、全部時間貸しとしました。


違法駐車が多いエリアを配慮して、違法行為のやりにくい遮断機式にしました。


果たして結果はというと、予想以上の大繁盛! 特に夜はいつも満車状態で、調査した方も驚いてみえました。まさに嬉しい誤算でした。


後付けの説明では、既存の駐車場が立体式や有人式ということで、利用しづらかったのであろう、ということでした。


その後、その中心市街地では、似たような時間貸し駐車場がたくさんできました。


この例は、現状の調査だけではわからないことがあり、やってみて初めてわかるということです。


もっとも、その後、道交法の改正などあり、現在の経営状況はよくわかりませんが・・・。
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