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「自動車は道具か文化か」 [日経新聞から]

少し前の日経新聞に表題のコラムがありました。(掲載日の記入を忘れました。大西康之編集委員の署名記事です。)

そのコラムによると、ヨーロッパでは自動車は道具ではなく、文化であり、“レースなくして自動車なし”という精神で自動車を作っている。この点が、日本の自動車メーカーが(富裕層から支持されるということでは)欧州メーカーを超えられない理由である、と結論付けています。

そして、それは自動車ばかりでなく、アパレルや時計でも同じことがいえると論を進め、アップルのジョブス氏の例も引用しています。

対して日本のモノづくりは、「安くて良いモノ」に対する信奉が作り手の頭から抜けないとも書いています。

以上の論にわたしは全く異を唱えることはありません。その通りだと思います。

では、日本製が欧米のモノづくりにデザインや文化性で勝つことができないのかといえば、そんなことはないと思います。

昔の例でいえば、SONYであったり、欧米の富裕層を唸らせたメーカーは存在しました。

あまりいい例ではありませんが、戦艦大和など機能美が人心を魅了した例もあります。

本物志向で作れば、「安くて良いモノ」と意識しても自ずと限界がきます。日本の伝統工芸品など職人と呼ばれる方々が作るモノが高い理由はそこにあります。

日本製の工業製品に文化やアートの部分が少ない原因は、作り手側よりもむしろ消費者側にあるのではないかとわたしは思います。

いいモノでも高いものは絶対数が出ない。そのため作り手が存続できない。

わたしたち日本人がもっと贅沢品(そしてそれを作る人たち)を大事にしないといつまでもこの不況から脱却できないように思います。
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