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健太 [キネマのブルース]





昔の伝説的なテレビ番組に『傷だらけの天使』というのがある。主演の萩原健一扮する“木暮修”はおよそ生活感という言葉に縁のないチンピラで、謎の組織の手下としていつも危ない仕事をしていた。その萩原健一の弟分を演じていたのが水谷豊で役名は“アキラ”だった。

木暮修には息子が一人いて、私の記憶では一度もドラマの中に登場したことはなく、会話の中にだけ出てきた。その会話は次のような感じである。

「修、おまえ、子どもがいるんだってなぁ」

「はい、健太って言うんですよ。高倉健の健に、菅原文太の太で、健太。いい名前でしょ!」

そう、1970年代、BIGIの服を着こなすチンピラ“木暮修”が、かわいい一人息子につけるくらい好きな俳優が高倉健と菅原文太だった。その設定がめちゃくちゃにイカシテいたくらい高倉健と菅原文太は当時、とんがった男だった、のだと思う。(私はまだ子どもで、リアルには知らない。)

そのお二人がまるで手を取り合うように、相次いで他界されたのは、とても不思議な感じがする。ご冥福をお祈りいたします。(合掌)

(勝手ながら、写真に私の大好きな映画『仁義なき戦い』のロゴを使わせていただきました。)
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