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サイゼリヤの力





村上龍の少し前のエッセイを読んだらサイゼリヤを高く評価していた。


高評価の理由は本物のイタリアンを破格で提供しているからだという。


村上龍だけが評価しているのはでなく、彼が知るイタリアのプロサッカーチームは日本遠征の際にサイゼリヤに足繁く通うエピソードも紹介している。


サイゼリヤに1回も行ったことがないという人は少なかろう。果たして、普通の日本人はサイゼリヤをそれほど高く評価しているだろうか? 単にコスパがいい店程度の評価ではないだろうか?


少なくとも私はそうであった。自分の舌に自信がないのである。幼少の頃に食べ物に文句を言うなと躾られたことも大きいのかもしれない。私はよっぽど不味くない限り、食べ物に文句を言わない。


閑話休題、村上龍は高品質な商品を低価格で提供するサイゼリヤに逆説的な危機感を述べていた。日本の若者が小さい頃からサイゼリヤに慣れ親しんだ結果、本場のイタリアで食事をした際に失望するのではないかと。


そこまでいかなくても、サイゼリヤの20倍のお金を支払って食べたイタリアンが当社のものとあまり変わらない味であれば、背伸びして高級店に行く気がしなくなるのは当たり前だ。


昔はちがった。40年前であれば、スパゲティ(パスタでなく)はミートソースかイタリアンしかなかった。今の50代以上であればカルボナーラを初めて食べたのは20歳になってからという人が多いだろう。食べられる店も限られていたから背伸びした。


豊かな社会や生活は悪いことではもちろんない。しかし、それに安住すると社会の活力がなくなる。贅沢品や高級品が伸びない大きな要因はここにある。


ブレイクスルーして新しい頂を示す必要があるのだ。
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