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関満博さんの中小企業論 [経営に関する世迷い言]





少し前の話になるが、3月2日の日経新聞に関満博さんが中小企業について論じてみえた(同紙「経済教室」)。


関さんの中小企業論は徹底的な現場調査の上に成り立っているので、机上の空論ではない。

ゆえに、中小企業の事業承継においても、単に税制面だけで論ずるのではなく、事業の先行きも考えてこれからの中小企業の事業継承策を述べてみえる。


少し長く引用となるが、以下はその説明。

【縮小する事業を抱えた承継の現場では、家族や親族以外に後継者を期待することは考えにくい。彼らに対し、筆者は「成熟化し、他方で人口減少、グローバル化の時代。これまでの事業は縮小していくが、先代が築き上げてきた実績と信頼は大きな資産である。承継にあたっては、その資産をベースに新たな可能性に向かっていくことが必要だ。その場合には3つの方向がある」と指摘している。

1つは、蓄積された技術をベースに新たな領域を切り開くこと。2つ目に、これまでの取引・流通関係などを意識して新たな領域に向かうこと。3つ目に、この時代状況を受け止め、全く新たな事業領域を切り開くこと。それは次の時代を担う後継者、起業家の最大のテーマとなろう。】


関氏は、「家族や親族以外に後継者を期待することは考えにくい」と言うが、現実は厳しく、その家族や親族も後継者にならないことが多い。


関氏はこの一文の前に某染め工場の例を紹介。「仕事はあるが、先が見えないため、将来のある若い人を入れることはできない」と、同社社長のコメントを取り上げている。

同社のご子息は家業を継ぐ意思で薬学部に進学したが、家業の将来に不安を抱いて医学部に再入学して、現在は医師になっているという。


関さんのこのレポートを読むと、事業所数が減っているからなんとかしようというアプローチでは、なんとかなるわけはない。


国全体で、もっと大きなビジョンが必要なのである。



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