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斜陽 [本のブルース]





人様からはたくさんの本を読んでいると思われている私であるが、実はそれほど読んでいない。

理由は読むのが遅いから。集中力にも欠けるので、周りに誰かいると読めない。また、最近では老眼も進んで、細かい字を見るのが億劫になっている。

それでも読みたい本はたくさんある。特に誰もがタイトルを知っている古今東西の名作を読破するのが夢だ。まさに「読まずに死ねるか」だ。

閑話休題、この本もそんな1冊。太宰は中学生の頃に『走れメロス』など数篇を読んだ。さすがにメロスは感動したものの、他の作品はあまり覚えていない。

高校の時にタイトルに惹かれて『人間失格』を読み始める。何度も挫折して、読み切ったのは大学生の頃だっただろうか?途中で読むのをやめたのは、当時の私には難解で面白くなかったのだろう。

『斜陽』。もちろん題名は知っている。今まで読もうと思わなかった。果たして、読み始めると、たいへん面白かった。不健全な感じが、何か背徳を思わせる。中高生の若い人に読ませるものではないと感じた。若い人は中毒になるやもしれない。

実際のストーリーや文体は決して過激なものではないのに、何か後ろめたさを感じるのは不思議だった。

先週、東北に旅した。その時読んだことも影響しているのかもしれない。

しばらく続けて太宰を読もうか⁈



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