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ショーケンのこと [キネマのブルース]

今さらながら、ショーケンこと、萩原健一さんについて書きたい。

昭和30年代生まれの男にとって、ショーケンは永遠のヒーローであり、憧れであり、ああいう風になってみたいという唯一無二の存在であった。(あくまで個人の感想)

先日他界されて、いろんなメディアが報じたように、出演したドラマや映画での活躍は数多い。

残念なのは、晩年における出演が少なかったことだ。人生の前半にやり尽くしてしまったのか、それとも自らのライバルは過去の自分だったのか、本人以外は知る由もない。

閑話休題、少し遅れた追悼文が今月28日の日経新聞に載った。そこには映画『誘拐報道』が紹介されている。

1982年公開のこの作品を私はリアルタイムで劇場で観た。当時も大のショーケンファンであったことに加え、本作が誘拐映画の名作『天国と地獄』を超えたという評判を聞いたからだった。ちなみに私は『天国と地獄』も大好きである。

なるほど、この時のショーケンの演技もよかったが、映画としては今ひとつだった。なにせ、今では考えられないことだが、この映画は、あの『蒲田行進曲』と2本立てで公開されていた(四日市だったから?)。その『蒲田行進曲』があまりによかったので、本命で見に行った『誘拐報道』のがっかり感がハンパなかったのである。

余談が長くなった。

私が一押しのショーケンの出演ドラマは『君は海をみたか』である。

これは1981年か、82年だったかにテレビで放映されたドラマだ。脚本は倉本聰さんで、ショーケンはシングルファーザーの役だった。

この時のショーケンは、木暮修でもなく、マカロニ刑事でもなく、もちろんサブちゃんでもない。私には新境地の萩原健一だった。

この時演じた父親は、不治の病におかされた自分の息子を助けようと懸命に努力するのだが、それまでが典型的な仕事人間であったためにことごとく息子や周囲の人々と噛み合わない、という役であった。

その苦悩と挫折を表現する彼の演技に鬼気迫るものを感じた。

もう一度観たい作品である。(新聞等の評伝にはこの作品のことは書かれてなかったなぁ)

ショーケンこと萩原健一は、私などが言うまでもなく、不世出の役者さんでした。安らかにお眠りください。
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