『戦国業師列伝』 [本のブルース]
積ん読の中の1冊、津本陽さんの『戦国業師列伝』を読了。
この本は、本屋さんで偶然見つけて購入したものです。
購入した理由は、藤堂高虎に関する一文があり、少し立ち読みしたところ興味をそそられたので買いました。
他に紹介されている“業師”は、
上泉伊勢守信綱 前田慶次 千利休 長谷川等伯 九鬼嘉隆 安黒寺恵瓊 雑賀孫一 石川五右衛門 大久保長安
かなり著名な方もみえれば、歴史通しかわからない方もみえます。
彼ら業師に共通しているのは、津本陽氏の言葉を借りると、「その道において、特異な感覚といってもよい能力をそなえている。」という点です。
そして、上泉伊勢守信綱と藤堂高虎を除くと、本人またはその子孫の末路は不遇です。中には壮絶な死を迎える方もみえます。
なぜなのか?
これがその答えというわけではありませんが、冒頭に津本氏が次のように書かれています。
「いまでは業師が見つけにくい。凡人が多くなりすぎて、業師を異端視することが多いためだ。」
上記の業師がいなければ、信長・秀吉・家康の天下統一も違った形になったかもしれません。
反対に、天下人あっての“業師”であるともいえます。
現代社会が停滞しているのは、器の大きな“天下人”もいなければ、それを助ける“業師”もいないからなのでしょう。
2012-05-05 00:05
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コメント(2)
津本陽さんの武将モノはよく読んでいます。
硬派な書き方が好きです。
by J2 (2012-05-05 01:45)
J2様 いつもご高覧いただきありがとうございます。今回はコメントまでいただき嬉しい限りです。
津本さんの硬派な文章はわたしも大好きです。
『下天は夢か』を読んだ時、今まで読んだ織田信長像と全く違うノブナガが見えた気がしました。
byあるまかん
by あるまかん (2012-05-06 23:27)