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『大都会~闘いの日々』

1976年に放送された『大都会~闘いの日々』がDVDで発売されました。

レンタルもされていたので、さっそく第1巻を借りてきました。


この作品、石原プロモーションが制作していて、石原裕次郎の晩年(というには若すぎますが、)の代表作のシリーズとなります。


この後、人気作『大都会PART2』、『大都会PART3』が作られ、その流れを組んで『西部警察シリーズ』ができます。


しかしながら、後のシリーズがアクション主体の人気作であったのに対し、シリーズのスタートとなった本作は同じ刑事ドラマでありながら、アクションはなく、人間模様を描いた社会派ドラマ仕立てとなっています。


閑話休題、『大都会~闘いの日々』。若き渡哲也はマル暴ながらその中では一番下っ端の刑事です。教育係のようにいつもいっしょに行動しているのは高品格扮する愛称・マルさん。


石原裕次郎は刑事ではなく、警察付きの新聞記者のキャップです。(いつも麻雀をやってます。)


つまり、『大都会PART2』以後の黒岩軍団や大門軍団を期待してみると、肩すかしをくいます。


わたしはこの『大都会~闘いの日々』が嫌いではありません。小学生の頃に再放送で見た際、その深さに感動した覚えがあります。(そういう小学生は他にいなかったので、友だちには言えませんでしたが・・・。)


それもそのはずで、第1回放送の脚本は倉本聰さんです。何本か書いているようです。

今見ると、もう一つ突っ込みがほしいなぁと正直思いました。それでも当時(昭和51,2年ごろ)の世相がよくわかり、貴重な作品であると思います。


煙草や麻雀といった現代の男性が忘れてしまったものもバンバンでてきます。それが当時の男性の日常であったからです。


第1作ででてきた「善良な市民とは何か」、第3作の「組織とは何か」、第4作ででてきた「警察とは何か」といった若者が発する問いかけと、年長者による現実的な回答は胸に刺さります。


実は答えている年長者もそれが詭弁、あるいは一時しのぎであることは百も承知しているのです。それでもそうやって自分を納得させないと生きていけないというふうに割り切るのです。見方を変えれば、問題の先送りともとれます。


やがて、時は過ぎ、バブルとなって質問を発する者がいなくなったようにわたしは思います。そして、それらの問題は今も残っています。


そうしてみると、この『大都会~闘いの日々』は実に意義深い、時代を画する作品だとわたしは思うのです。


それにしても本作に渡哲也の妹役で出演している仁科明子さんはたいそう可憐です。(なんとなく大島優子さんに似てると思うのはわたしだけでしょうか・・・。)
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