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島耕作 [本のブルース]

2020-04-11T16:57:49.jpg


先日、写真だけアップして文章を付け忘れました。申し訳ない。


さて、外出を控え、自宅に籠る(?)準備として本屋さんに行ったら『相談役 島耕作 第1巻』が並んでいました。


1983年『課長』としてスタートした島耕作は出世街道を上り詰め、社長・会長そしてついに相談役です。


私は、課長時代から読み始め、ずーっと読み続けました。


そして、振り返って思うのはやっぱり一番おもしろかったのは課長時代だったなぁ、と。


なぜか?


課長時代は、公(仕事)と私(プライベート)の話がうまくかみ合い重層的な人間模様が描かれていました。


島耕作の地位が上がるにつれ、公私のからみが少なくなり、やがてほとんどが「公」(仕事)ばかりになっていくのは読んでいてそれなりに面白いものの深みがない気がします。


まぁ作者としてもプライベート部分は描きにくいんでしょうな?!


閑話休題、この『相談役 島耕作 第1巻』では島耕作のかつての上司だった万亀元社長(元会長・元相談役)が逝去しました。


この万亀氏が最初に登場したのは広報室長でしたか?脇役のそのまた脇くらいだったのになぜか出世していきます。


まぁそれにしてもこの万亀さんの死に際もかなりあっさりと描かれているのですが、島シリーズで思い出すのは『課長』時代の宇佐美元専務が他界する話です。


初芝電産の揺籃時代から会社に尽くし、最後社長のポストを争って、結果社長にはなれず会社を去る宇佐美専務。するとそれを待っていたかのように病魔が彼を襲い、あっという間にあの世に旅立つのですが、死ぬ直前に挿入れたエピソードはなんとも切ないけれど人間味のある話でした。


現代のサラリーマンのファンタジーである島耕作シリーズ。サラリーマンにとって出世は醍醐味でありますが、出世競争に負けて会社を去るときに初めてその虚しさにサラリーマンは気づきます。島耕作のように最高地位を極めたサラリーマンに限って言えばその虚しさとは無縁と思います。


それとも、これからそういう気持ちを彼も味わう時が来るのでしょうか?

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