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行ってみたかった所 その1 「七本槍賤ヶ嶽古戦場跡」 [旅のブルース]




長年勤めた会社からご褒美のお休みを授かった。あと2年もすれば定年を迎えるので、その前に今後の身の振り方をよく考えるようにというのが本来の趣旨であろう。あるいはその日に備えて資格試験を受けるなどの準備をしなさい、という意味もあるだろう。


私はそのどちらをすることなく無為に過ごしている。無為というのは他人様から見ればということで、自分にとっては有意義な日々を送っている。


閑話休題。


いつでも行けそうな気がして、なんとなく行きそびれていた所を回っている。


その第一弾が「七本槍賤ヶ嶽古戦場跡」


この時期、私に同行する者はなく、自由気ままな一人旅。一人旅が寂しいことに気づいたのは23歳の時だった。それまでは結構平気に一人旅を楽しんでいたのだが、会社勤めをはじめ、環境が変わったせいなのか、急に一人で行く旅に寂しさを覚えるようになった。


それ以降はあまり一人旅はしなくなった。それでも時折、一人旅に出かけるのは単につきあってくれる友人や家人がいないからにすぎない。


旅行していて一人でよかったと思うことがある。それは自分以外でその場所に関心がある人は少ないと思えるようなところに行ったときだ。一人だから遠慮することなく、自分が飽きるまで滞在し、楽しめる時である。


今回の旅はそういうところばかり。と、書くとそのスポットを観光で盛り上げようとしている方々に悪いな、とは思う。


さて、掲題の地名はサービスエリアにもなっているのでご存じの方も多かろう。また、歴史好きの方であれば「七本槍」は解説する必要のない有名な出来事である。


私はその昔、北陸道をよく車で走っていた。だからこの史蹟の横も何度となく通った。合戦場の山頂まではリフトがあることも知っていた。


果たして、訪れた平日はリフトは運休であった。どうやら土日しか動かしていないようだ。


しかたなく遊歩道を徒歩で登った。距離は1キロちょっとと書いてある。けっこう息が切れた。


登りやすく蛇行させてある遊歩道ですらこうなのだ。やはり戦国大名らの体力というのは凄かったのだろう。福島正則、加藤清正ら七本槍の士は鎧甲冑を身につけ、重い槍を手にして、敵の攻撃をかわしながら、一気呵成にあの山麓を登ったのだ。現代人からみれば、信じられない体力である。


そんなことを考えながら賤ヶ嶽を登った。


頂から周囲を見渡せば、なるほど交通の要衝を見渡す場所であり、ここを押さえることが軍事上重要であったと想像できる。


この場所に布陣することも大層苦労しただろうなぁ。


言い伝えによれば、戦いが終わった後、山麓にはおびただしい兵士の遺骸があったという。


死者に敵も味方もない。霊を慰める碑が建てられている。


今から400年と少し前、日本でも残酷な国内戦が繰り広げられていたのである。
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