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映画『愛と青春の旅だち』 [キネマのブルース]




先日、「午前10時の映画祭」で『愛と青春の旅だち』を鑑賞してきました。

この映画は若い頃に観たことがあります。そして今観てもたいへん素晴らしい青春映画であると思いました。

タイトルの邦訳もいいですね。単に原題「An Officer and a Gentleman」を訳したのではなく、もちろん、英語のままでもありません。

しかし、この「愛と青春の旅だち」という訳が実に映画のストーリーとぴったり合っているのです。

昔、友人からきいた話では『愛と青春の旅だち』を配給した日本の映画会社は、この作品以降「愛と~」とつける題名が多かったそうです。

また、『ポリスアカデミー』はこの映画のパロディとして作られ大ヒットしたとか。


閑話休題、『愛と青春の旅だち』はもちろんラブストーリーに違いありませんが、今観ても色褪せないのは二つ要因があると考えます。

一つ目は、リチャード・ギアが扮する主人公の生い立ちがあまり恵まれたものではなく、ややひねくれて育ったこと。彼が厳しい訓練やしごきに耐えた理由もその出自に大いに関係します。

人間的には決していい人ではなかった問題児が立派な士官に成長する物語でもあることが、本作のもう一つの見どころとなります。


二つ目は、恋愛相手の女性たちも決して恵まれた境遇ではなく、士官学校の男たちと恋愛を超えて結婚へのゴールインを目指して駆け引きをすことです。

彼女たちは昼間は工場のラインで働いています。その工場の煙突から立ち上る排煙を見る限りでは労働条件も悪そうです。

士官候補生に近づくのは将来のエリートを青田買いして玉の輿に乗る(死語)ことを狙ってのことですが、そうそううまくいかないことも十分に知っています。

恋愛模様はさまざまで、男を騙そうとして悲劇が起こってしまいます。私はアメリカ社会に疎いのでうまく解説できませんが、アメリカの貧富の差や人種差別などがこのラブストーリーの背景としてしっかり描かれていることが、この映画が今も名画として親しまれる大きな理由だと思うのです。

上映期間はあとわずかですが、ぜひご覧になっていただきたいです。
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