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伊東潤著『一睡の夢』 [f]

2023-06-11T21:21:23.jpg
伊東潤著『一睡の夢』を読了。

豊臣家滅亡を徳川家康と淀君の視点から描いた作品。

家康や淀君の心情が細かく記録されている資料はないと思われるので、史実を伊東史観で結んで語るとこうなるといった歴史小説である。

上手に書くなぁと思ったのは、淀君の今(大坂冬の陣、夏の陣の頃)と茶々と呼ばれた子どもから成長して娘になる頃の時間軸を、実に自然に流れるように表現されている点だ。

閑話休題、この時代を描いた小説では司馬遼太郎の『城塞』がある。司馬氏を越えようとすると、淀君や家康、その他の歴史的人物の心理戦を想像をたくましくして書くしかないのかもしれない。

読んでいて十分におもしろかった。
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