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メリーさん [日経新聞から]




今年3月17日の日経新聞文化欄に女優の五大路子さんが書いた文章が掲載されていた。

内容は、昭和から平成にかけて横浜に実在した白塗りの老娼婦メリーさんのこと。そのメリーさんと出会った五大さんが衝撃を受け、メリーさんを題材にした独り芝居「横浜ローザ」を作った。この4月にはニューヨークでも上演したという。

メリーさんといえば、今、40代後半の人で、小さい頃に津に住んでいた方ならばご存じだろう。津にも真っ赤な服を着たメリーさんと呼ばれる女性がいたことを。

津のメリーさんは、三重会館のバスの待合室に座っていた。ある時、私の友人が、メリーさんがいつも座っている場所にいなかったので、その席に座っていたら、果たして、メリーさんがやって来た。そして、そこは私の席だから変わってちょうだい、と叱るように言われたそうだ。

メリーさんが男と腕を組んで歩いている姿を見かけたこともあった。

私らは子供だったからわからなかったけれど、津のメリーさんも、新聞に書かれた横浜のメリーさんと同業だったようである。

津のメリーさんを最後に見たのはいつ頃だっただろうか?三重会館は建て替えられ、彼女が座っていたイスはもうないが、いっとき、メリーさんは津の名物だったことは間違いない。


閑話休題、五大路子さん。彼女を初めてテレビでみたのはNHKの朝ドラだった。ただ、五大さんは途中で体調を崩して降板する。きっと忸怩たる思いがあっただろう。そんな五大路子さんだから横浜のメリーさんを題材にしたのではないだろうか?津のメリーさんに五大さんのような方がいないのは残念である(私が寡聞で知らないだけかもしれませんが…)。
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