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警告本





今から35年くらい前、『21世紀は警告する』というNHKのシリーズ番組があった。同名の本も出版され、学校の宿題でその第1巻だけ精読した。

国家(祖国)とは何かがテーマだった。1980年当時のソ連領リトアニアの出身者で、第二次世界大戦前のリトアニアのアメリカ領事館で働いていた老人を紹介していた。その老人は大戦後、ソ連領となったリトアニアに帰ることができず、アメリカに住むことになった人だ。彼は祖国がなくなった後もアメリカでリトアニアのビザを発給していた。もちろん祖国はないのだからビザには効力はない。彼は祖国の復活を信じてビザを発給し続けたのだという。


私は彼の行為を嗤った。当時のソ連はアメリカと世界を二分しており、ソ連がなくなるわけがない。つまり、リトアニアが復活する可能性はないと私は考えた。


私の予想が外れたのは皆さま周知のとおりである。嗤われるのは私のほうだった。

しかし、当時の事情を知っている人であれば、私を嗤うことなどしないであろう。


閑話休題、『縮小ニッポンの衝撃』を読んだ。薄々知っていることだから読んでもショックはない。

マスコミがこうした警告を発してくれるのは有難いことだ。できればもう一歩踏み込んだ提言があれば更によい。


本来、それは各人が考えること、あるいは政治家が世論にはかるべきことだと思う。そのどちらも期待できないのであれば、知性の塊であるマスコミから提言すれば、世の中も変わるのではないだろうか。


先述したリトアニアの老人のような楽天的にやり遂げる力が今の日本人には必要だと痛感する。
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