SSブログ

四日市旧港港湾施設 [f]

2023-09-17T10:15:13.jpg
なんと、国指定重要文化財である。

(恥ずかしながら、知らなかった。)

日本の近代化を造った明治時代の産業遺産として極めて重要なものということだ。

最大の特徴は「潮吹き防波堤」にある。

高潮の影響をやわらげる独特の工法は全国に類がなく貴重なものだ。

現在も港に鎮座するのだから現役ということだろう。

明治時代に四日市港の近代化に私財を投じて尽力した稲葉三右衛門公の碑があった。明治三十年と刻まれている。

明治三十年が、稲葉翁存命中かどうかは知らないが、早くからその偉業は讃えられたことは間違いない。素晴らしいことだ。

余談ながら、稲葉翁の銅像は港ではなく、JR四日市駅前に立っている。

稲葉翁は四日市港の近代化の次に伊勢湾と敦賀湾をつなげる運河を構想していたと聞く。結句、それは鉄道として実現させようとしたが、それも途中で終わった。

そういうことも考えると、旧国鉄の駅前にあるのもそれなりの意味があるのかもしれない。

閑話休題、伊勢湾の港を見ていると、なろほど、産業港としては立派であるが、民間のつながりが希薄のように感じる。

瀬戸内海の海上交通が今も庶民の足であるのに、伊勢湾にはその雰囲気がない。

これも私の勝手な想像であるが、伊勢湾岸の港は徳川時代、幕府の直轄港が多かった。すなわち、町衆の勝手な往来ができなかった(のではないか?)。それが明治以降になってもあまり民間同士の往来が盛んにならなかった理由ではないだろうか?

もう一つは、伊勢湾は遠浅の海で、航路が限られると聞く。広いように見えて通れる水路は案外少ない。

限られた航路を産業用に使うと、なかなか庶民の足的な船が行き来するのは難しいのかもしれない。

私が訪れた日、四日市旧港の公園は閑散としていた。駐車場がなく、駅からも遠いから仕方ないのだろう。
nice!(0)  コメント(0)