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鬼吉川 [旅のブルース]




先日、広島に行った際、偶然、吉川元春館跡の近くを通りかかったので、立ち寄ってみることにした。

吉川元春は毛利元就の三男で、毛利の三川の一人。【鬼吉川】の異名を持つ戦国武将。生涯で七十以上の合戦に出陣し、負けなしという伝説の強者だ。

この館は彼の晩年の住まいであったようだが、その後、関ヶ原の戦いに敗れた毛利一族とともに、この館も荒廃していく。

閑話休題、平日にこの史跡を訪れる人は少ないと思われる。

展示室が併設されていて、そちらに入ると、受付の初老の男性は驚いたような顔をして入館券を売ってくれた。

「館跡の発掘調査の遺物の展示なので鎧兜はありませんよ」とわざわざ教えてくれる。きっとそういう声(不満?)が見学者から寄せられるのであろう。

考古学を多少嗜んだ私にはとても興味ある展示であったし、史跡であった。

先の展示室の男性は「館跡といってもなんもないけどね」という。まぁ、世間一般にはそう言うのかもしれない。

こういう理解の中で、貴重な史跡を保全していくのは極めて難しいことだと改めて感じた。

そうして「何もない」と言われる館跡を見ていると、ここにも「つわものどもが夢のあと」があるとしみじみと思った。





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