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訃報「坂本龍一」さん [f]

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先日の高橋幸宏さんご逝去の悲しみがあけぬ間に、坂本龍一さんの訃報を聞くとは思わなかった。

高校生の頃にYMOこと、イエロー・マジック・オーケストラの音楽を知った。多感な十代への影響は大きく、それは音楽のジャンルを超えて考え方や思想など文化的なものに広がったように思う。

YMOメンバーのソロ活動も追っかけた。高橋幸宏さんの『音楽殺人』、そして坂本龍一さんの『左うでの夢』。

閑話休題、坂本龍一さんが【世界のサカモト】になったのは、映画『ラストエンペラー』の音楽を担当し、それがアカデミー賞やグラミー賞を受賞したことによる。

その前に忘れてはいけないのは、1983年に公開された映画『戦場のメリークリスマス』である。

この映画の幻想的で哀歓のあるテーマ曲はじめ、映画全編にフィットした多様な曲調が、それまでのYMOの坂本龍一のイメージとかなり違った。もちろんいい意味で。

また、1982年だったか?、忌野清志郎さんと共作した『い・け・な・いルージュマジック』も、ミュージックビデオとともに衝撃的だった。

その頃の私はまだ、清志郎よりも坂本龍一に傾倒していた。

後年、坂本龍一さんが核廃絶や平和運動に力を注ぐのは、清志郎さんの影響も大いにあるのだと思う。

坂本龍一さんは、80年代前半に高校生だった私たちにとって神的存在の一人であった。宗教の信仰が一つであるように、当時の高校生には自分にとって神様のような存在がそれぞれあったような気がする。

その神様の一人が天に旅立った。先日の高橋幸宏さんや、もうずいぶん前に大滝詠一さんも。

桂米朝師匠の名作『地獄八景』で、「名人は皆んなこっち(あの世)に来ている)という語りがある。

私たちの世代から見ると、若い頃に、きら星のように見えた人たちが、本当に星になられてしまった感がある。

ご冥福をお祈りします。

(写真は2023年4月3日付中日新聞の一面。訃報が一面トップにこれだけ大きく載るのは文化人では珍しいと思う。記事横のコラムには坂本龍一さんの言葉も。)
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