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田中康夫著『33年後のなんとなく、クリスタル』 [本のブルース]





今日はゴルフに行く予定でしたが、あいにくの雨模様だったので、違う日に振り替えてもらいました。早朝スタートだったので、早起きしてスタンバっていたので、ぽっかり時間があき、有意義な休日を過ごすことができました。

その有意義な中身はというと、掲題の『33年後のなんとなく、クリスタル』を読了したことです。

一世を風靡した『なんとなく、クリスタル』が発表されたのは1980年。当時、私は高校1年生でした。早熟かつ都会の高校生ならいざ知らず、田舎のイモ高校生だった私は、かの本を読んでいません。おそらく私の友人でも読んでいた人はいなかったように記憶します(あいまいだけど)。

高校生の頃の1~2年の違いが大きいというのは、その年齢を過ぎた人であれば誰でも理解できるかと思います。もし、私があと2年くらい早く生まれていたら確実に読んでいたことでしょう。


閑話休題、その『なんとなく、クリスタル』は、1980年代の若者文化の方向性を決めた1冊ではなかったでしょうか?80年代中期~後期のDCブームなどはかの本が遠因になっていた気がします。


同時期に、ほいちょいプロダクションが『見栄講座』なるものを上梓し、大学生ら若者の支持を得ていました。これがあの、今や古典となってしまった映画『私をスキーに連れてって』の原作であることはあまりにも有名です(当時は)。


つまり、よく似た感じで登場した田中氏とほいちょいの代表・馬場氏の不仲が囁かれる中、対談を企画した雑誌もありましたっけ・・・。


などということを思い出しながら、『もとクリ』を知らなくても『33年後の~』は楽しく読めました。33年も経ってしまうと、昔の4~5年の違いなどはもはやどうでもよくなっていて、まるで、自分の学生時代の友人のその後を読んでいる気分でした。実際は『いまクリ』、『もとクリ』とは無縁の生活を送っていたにもかかわらずでもです。


『33年後の~』はとってもいい本です。ティファニーを想起する装丁がまず素晴らしい。内容ももちろん。「註」がまた面白く、興味を惹かれました。


実は、いいセリフと描写をメモした(PCに打ち込んだ)のですが、保存をミスってしまい、手元に残っていません。しかもこの本も、いつものように図書館から借りていて、今日返してしまいました。


と、いうことでぜひお読みいただきたいということです。


田中康夫氏が言いたかったことは、最終の場面に集約されていると私は読みました。しかし、そこに行きつくまでの物語があってはじめて、その言いたかったことが生きてくると私は思っています。ぜひ、通しでお読みください。


さすれば、「微力だけど無力ではない」というセリフが、陳腐ではなく、黄昏時から夜明けに転じるダイナミズムを感じることでしょう。

以上です。


追記 

『なんとなく、クリスタル』のサントラを録音したテープを貸してもらったことがありましたっけ。
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