SSブログ

『還暦からの底力』 [本のブルース]

2020-06-08T21:43:07.jpg

久しぶりの本紹介です。


出口治明さんの『還暦からの底力』


タイトルからいって読者ターゲット層は50〜60代の方になりますが、内容は必ずしもそうではありません。 若い方が読んでも参考になる話が満載です。


大きく言えば、日本人のライフスタイルを変えようということをおっしゃってみえます。


キーワードは、「飯・風呂・寝る」の生活から「人・本・旅」へ、です。


日本人の労働時間は昔に比べ短くなっているものの、欧米に比べるとまだ長いでしょう。(一般的に日本の中小企業はその傾向が顕著です。)


その上、仕事帰りの「飲み会」なんかもあって、仕事をしている人に勉強する時間は普通ありません。そのため「飯・風呂・寝る」の生活になりがちです。


そうではなく、早く職場を出ていろいろなことを学ぶべきであり、それを出口さんは「人・本・旅」とまとめられました。


すなわち、たくさんの人に会い、たくさんの本を読み、いろんなところに出かけて刺激を受けることが重要であるということです。


みんなが学びを続ければ、日本人の好きな精神論は排除され、「数字・ファクト・ロジック」で語られるようになる。


そうすれば自分自身も、そしてこの国ももっとよくなるはずだ、と出口さんは言われます。


つまり、「教養=知識×考える力」という社会にしようということです。


閑話休題、出口治明氏は三重県の旧美杉村のご出身です。


日本生命入社後、出世されますが、最後は左遷されて会社を去ったそうです。(ご著書の中でその事情は書かれています。左遷は周囲の評価であって、ご本人はそれを左遷とは思っておられません。人類の歴史を見ればそれは当たり前のことだと飄々とされてます。)


その後ライフネット生命を立ち上げ、今はAPUの学長であられます。


読書家としても知られ、読まれた本は1万冊以上とか。しかもその中には古今東西の古典が含まれるので遅読の私には想像できない読書量です。 ご著書もたくさんあります。


私が尊敬する現代人のお一人です。

nice!(0)  コメント(0)