今村翔吾著『八本目の槍』 [f]
縄田一男氏が激賞していた本著作。
石田三成のことを「賤ヶ岳の七本槍」の面々を通して描く連作である。
それぞれが独立した短編でありながら、一本の筋が通り、石田三成を描いている。
本作を読むと、豊臣秀頼は凡暗な二代目であるし、淀君は愚かな母にしかすぎない。
歴史は事実の連続で、その事実をどのように繋げればうまく説明できるのかということに尽きる。うまく説明できれば、それが事実に近いだろうが、必ずそれが正しいというわけではないはずだ。
事実の解釈にはあらゆる可能性がある。
秀頼も、淀君も、そして本作に出てくる全ての登場人物が、こうだったかもしれないし、そうでなかったかもしれない。
歴史小説の中で、あまり脚光を浴びてこなかった人物も取り上げた作品群。それが、奇を衒わず、正論と読めるところが歴史好きを唸らせたと思う。
本作の中で、私が一番好きな作品は「二本槍 腰抜け助右衛門」だ。
ラストの関ヶ原の戦い。黒田長政に吶喊する様は涙なくして読めない。ぜひ映像化してほしい。
閑話休題、「賤ヶ岳の七本槍」は、実は他にも数名が存在し、その一人が石田三成であった、というのは司馬遼
石田三成のことを「賤ヶ岳の七本槍」の面々を通して描く連作である。
それぞれが独立した短編でありながら、一本の筋が通り、石田三成を描いている。
本作を読むと、豊臣秀頼は凡暗な二代目であるし、淀君は愚かな母にしかすぎない。
歴史は事実の連続で、その事実をどのように繋げればうまく説明できるのかということに尽きる。うまく説明できれば、それが事実に近いだろうが、必ずそれが正しいというわけではないはずだ。
事実の解釈にはあらゆる可能性がある。
秀頼も、淀君も、そして本作に出てくる全ての登場人物が、こうだったかもしれないし、そうでなかったかもしれない。
歴史小説の中で、あまり脚光を浴びてこなかった人物も取り上げた作品群。それが、奇を衒わず、正論と読めるところが歴史好きを唸らせたと思う。
本作の中で、私が一番好きな作品は「二本槍 腰抜け助右衛門」だ。
ラストの関ヶ原の戦い。黒田長政に吶喊する様は涙なくして読めない。ぜひ映像化してほしい。
閑話休題、「賤ヶ岳の七本槍」は、実は他にも数名が存在し、その一人が石田三成であった、というのは司馬遼