ひながの夜市 [f]

土地には独特の磁場があり、理論上では決していい場所ではないのに繁盛店ができる場所がある。逆に店舗を構えるのに問題ない場所にもかかわらず、出店と閉店のサイクルの早い場所がある。
これは理論を超えたものの力があって、理論的な説明ができない現象である。
こうしたいい加減な分析が社会科学の魅力でもあり、弱いところであると思う。
好立地にもかかわらず店が長続きしないのは、立地に頼りすぎた経営者の努力不足に他ならない。
反対に立地にハンデがあるにもかかわらず繁盛する店は、経営者が通常の何倍も努力しているからだ。
閑話休題、【ひながの夜市】に初めて立ち寄った。類は友を呼ぶかのように、魅力的な出店が軒を連ねる。それに合わせるかのように、お客様の層も若くて明るいファミリー層の方ばかりである。
特別なイベントがあるわけではない。けれど皆んな楽しそうに飲食しながら談笑し、心地よい空間と時間を過ごしている。
これぞ本来の町なんだと思う。今では忘れてしまった【日常にあるにぎわい】の再現という奇跡が起きていると感じた。退屈しない幸せがここにはある。
ひながの夜市は第3金曜日にあるとのこと。